ゆるくいろいろ

言語化の練習 音楽とかアニメとか翻訳とか

新発見

Sally RooneyのConversations with Friendsという本を読んでいて新しい発見があったのでメモ。思っていたよりもいい本だったから、違法?ダウンロードじゃなくて、ちゃんと紙の本として買えばよかった。

この物語ではFrancesという女性が主人公であると同時に語り手でもあるから、Frances目線での情報しか読者に伝わらない。しかも彼女は物書きという職業柄か、たくさん喋る(頭の中で)。その喋り方というか、個性的な着眼点が私はかなり好きだ。細かくてリアルで、彼女の目に映るもの全てが景色ではなく情報であるように感じる。その小さな情報たちはちゃんと繋がっていて何かを表している。

 

しばらく文章に没頭する時間を過ごした後は、本を読んでいないときも私の中のFrancesが私の生活のナレーションを始める。それは私が一生懸命考えて生み出すものではなく、ほとんど自動的に頭の中に流れ込むような感じのものだ。これが今回の発見。

自分の中で「多分彼女は今のこの状況ではこういう風に喋るんだろうな」という想像?妄想?がしっかり成り立つくらいRooneyはFrancesという人間を丁寧に書き込んでいるということなのかな。けれど未知な部分もたくさんあって、彼女でさえ知り得ない彼女も確かに存在する。それが彼女を「本物」だと思わせる。

 

作者が書いた物語の中でしか存在しないはずのキャラクターがこうして私の中で、現実世界の中で生きている。いや、果たしてFrancesは本当に物語の中でしか存在しないのだろうか?だって現実があってこその想像と創作なのでは…?まあ、この話はまた別の機会にでも。(ストックは増えていくばかり~)

この体験は初めてではないけど、ここまではっきりと自覚したことはなかった。あまり読書をして来なかったお陰で今こういう発見ができたのかな。楽しい。そしてLuiz Bonfaのギターは素晴らしい。今日も全ての幸せに感謝の正拳突き!